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バルナックの王道『Leica 3f』

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今回は、私が撮影で使っている機材のレビューをおこないたいと思います。

記念すべき第一回はブログのタイトルにもなっているバルナックライカの代表機種Leica 3fです。

このカメラの作られた背景から書き始めるとものすごい長文になるので簡単に説明しますが3fの『f』はフラッシュのfで、前のモデル3cを当時の最新技術だったフラッシュシステムに対応させたものです。なので『3d』や『3e』という機種は存在しません。製造方法も変更になったようで、3cのシャッター速度表示はいかにも手作りっぽかったのですが、3fからは工業製品らしくカッチリした刻印になっていて、全体的にエッジが効いています。
あるとき、6才くらいの男の子に、3cを見せた後に3fを見せたら「こっちの方がかっこいい!」と言っていました。
この違いはとても重要です。

この辺りの変更は、3cの製造中に第二次世界大戦が始まり、戦後に3fが開発されたこととも無関係ではないと思います。
この小さなカメラも、いろんな歴史を背負っているのです。


さて、見た目はカッコイイ3fですがまったくもってオススメできません。
特にカメラ初心者の方には、絶対に国産のカメラを勧めます。

まず、フィルムの装填が大変です。
手順としては、

①底蓋を外す
②スプール(パトローネの反対側のフィルムが巻き付く軸)を取り出す
③フィルムをパトローネから少し引き出し、スプールに差し込む
④スプールとフィルムをカメラに入れる
⑤底蓋を取り付ける

以上なのですが、フィルムを入れるときにカメラ内部に引っかかるので、あらかじめフィルムを少し切って形を整えておくか、④の前にテレホンカード(死語?)の様な薄くて固いカードをカメラに差し込んでおいてからフィルムを入れる等、ちょっと工夫が必要です。慣れればカットもカードも要らないのですが、無理にフィルムを入れると巻き上げが出来なかったり、フィルムが破れたりします。
ちなみに、フィルムをスプールに差し込むときにもたまに破れます。

フィルムカウンターも手動なので、フィルムを装填したら自分でリセットしないといけません。焦って装填するとよく忘れます(〃 ̄∇ ̄)


ちなみにほとんどの国産カメラの場合

①裏蓋を開ける(底蓋を外すのと比べるとだいぶ楽です)
②パトローネをカメラに入れる
③フィルムを引き出しスプールに差し込む
④スプールを少し回してフィルムを巻き込ませる
⑤裏蓋を閉める(フィルムカウンターは自動復帰)

当然フィルムが引っかかって入りにくい等ということはありません。


フィルムの装填が終わっても、次なる難関が待っています。
ほとんどのレンジファインダーカメラの場合、ファインダーは一眼式といって1つのファインダーの中に二重像とブライトフレームが出ています。二重像でピントを合わせ、ブライトフレームで構図を合わせる訳ですがバルナックライカは違います。

DSC00399.jpg



3fのファインダー接眼部

左が距離計用、右が構図用



当時としては最新なのでしょうが、現在では考えられない独立二眼式ファインダーですΣ( ̄Д ̄;)!
構図用のファインダーは視野が50mmなので、それ以外の焦点距離のレンズを装着した場合は外付けのビューファインダーが必須です。
素早い撮影には慣れとテクニックが求められます。

しかし、構図用のファインダーの右下がレンズで塞がってしまうのはどういうことなのでしょうか?
キヤノンの50mm f1.2等大口径レンズを使うと視野の1/3ほどがレンズで塞がる為、50mmの外付けファインダーが必須です。

他にもフィルムの巻き上げがレバーではなくダイヤル式、金属製で意外に重いなど、使いにくいところはありますがそれを補う長所も当然あります。


まず、かわいいです(笑)
大きな一眼レフを向けると怖がる子供も、こんなカメラを出されて「写真撮るよ〜」と言われれば自然と笑顔になります(*´∇`*)

決して所有者が自己満足に浸れるという意味ではありません。

話のきっかけにもなりますし、コミュニケーションにおおいに役立ちます。
慣れるまでは大変かもしれませんが、人物を撮るのにこれほどに適したカメラは無いかもしれません。

ちなみに、シャッター音やセルフタイマーの音は友人達に好評です(*´Д`*)


次に、小さくて、いつでも持ち歩けます。
金属製なので結構重いのですが、薄いレンズや沈胴レンズならシザーケースに入ります。

こんなに小さいのは、バルナックライカを設計したオスカー・バルナックという人が小柄だったからだそうです。なので、手の大きな人は使いにくいようです( ̄▽ ̄;)

レンズも小さいので小さなカメラバッグでも交換レンズをたくさん入れられます。ただ、焦点距離が違うレンズだとファインダーも同じ数だけ持ち歩かなければならないので本気の撮影ならカメラはM型の方がいいでしょう。

バルナック用のレンズはLMリングを使えばMマウントカメラで使えるのも利点の一つです。


最後に、これは完全に使用者によることなのですが、バルナックライカは使っていて、写真を撮っているって実感があります。

撮影枚数が限られるし、撮影まで時間が掛かり連写も出来ないので一枚づつ考えて撮る様になります。

使用者を成長させてくれると言っても言い過ぎではないと思います。


さて、そんな3fですが、完全なる機械式カメラのため露出はマニュアルとなります。一眼レフでいうMモードに固定されたようなものです。

以前は露出計を使ったり、コンデジで撮影して露出を確認してからバルナックを使ったりしていたのですがあまり手軽とは言えませんでした。

しかし!

今は露出計のアプリがあるのでスマホさえ持っていれば楽勝です!(>▽<)ノ


・・・と、色々と書きましたが、3fに限らず写真は撮っていて楽しいものです。
これからもブログをちょくちょく更新しますので、また見に下さいね。
お待ちしています(☆゚∀゚)

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You

はじめまして。
私もバルナックが好きで現在3台保有してますが(2f,3f,3g)、過去に同じセルフ付きの3fを持ってましたが、訳ありで手放してしまいました(現在セルフなし3f)。その3fのシャッター音と感覚が最高で、その後に今の3fを入手したのですが、セルフ付きに到底及ばないことに愕然としてます(笑)

最近はMまたはデジタルに傾向しつつありますが、この先も是非使い続けたいと思います。

また遊びにきます!
by You (2014-03-22 08:35) 

KIYOKA

Yuoさん、こちらこそ初めまして。

私も3cを持っていますが、確かにシャッタ音は違いますね。3cの方がショックも大きいですし、構造を変更したようですね。

バルナックよりM型の方が使いやすいから、お気持ちはわかります。
私も最近はM型の出番が増えました。

またぜひ遊びにいらして下さい!(>▽<)ノ
by KIYOKA (2014-03-23 11:25) 

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